事実婚(内縁の夫婦)の注意点

皆さんこんにちは。

今回の記事では、事実婚、いわゆる内縁の夫婦の方々への注意点をまとめたいと思います。この記事は、同性カップルの方々にも参考になればと思いますので、どうぞ最後までお読みいただけると嬉しいです。

家族の形は、昔の時代に比べ、多様化が進んでいます。このこと自体は個人的にはとても良いことだと感じていますが、一方で法整備はこの多様化に追い付いていないのが現状です。

まず申し上げておくと、事実婚の方で、パートナーに資産を残したいと考えておられる場合、遺言作成は必須です。このことは昨今、様々な媒体から情報発信されておりますので、ご存じの方、あるいはすでに準備してあるという方も多いと思います。

では、事実婚の場合、遺言作成だけで十分なのでしょうか?

例えば、事実婚のパートナーが急に倒れて意識がなくなってしまった場合、どんな問題が考えられるでしょうか?

ここから病院が倒れた方の血縁者を探すのはとても大変で、時間もかかります。ですので近くにいる事実婚のパートナーに話をすることは現在でも充分に考えられます。ただ、重要な医療上の決定を事実婚のパートナーに病院が委ねるか?というと、まだまだそこまで取り組んでいる病院は少ないのではないか、というのが私の感覚です。

その他にも、倒れてしまった後、パートナーが銀行などへ代理で手続をしようとしたとき、たとえ自治体のパートナーシップ制度に登録していたとしても、銀行が手続に応じてくれるかどうかは現時点では未知数だといえます。

それでは、どう対処したらいいのか?

完璧な対策というのは当然、法整備がきちんとされることであり、私が申し上げるのはあくまで現状での次善の策です。法整備を求めていく意識は、当事者の方々は引き続き強く持っていただきたいと思います。

私の提案は、財産管理等委任契約、任意後見契約、死後事務委任契約などの契約をパートナー同士で、お元気な間に交わしておくというものです。

これらを備えておくことで、事実婚のパートナーができることが増える可能性が大きく高まります。各制度の詳細については、ぜひ過去の記事をご覧ください。お問い合わせ等もお待ちしております。

最後になりますが、まだまだ日本では、戸籍の力は強いです。重みがあるといっても良いでしょう。同性婚の方は現状、法律婚ができませんので上記の対応をしていただければと思いますが、異性同士の事実婚の方々は、特に婚姻できない特別な事情などがなければ、ぜひ現行の法律婚をする、ということも選択肢に加えていただければと思います。繰り返しますが、まだまだ戸籍の力は強いです。守られ方が事実婚の方とは違いますので、どうぞご検討ください。

蛇足ですが、事実婚の方が遺言作成をされた場合、「相続」ではなく「遺贈」となります。詳しくは述べませんが、遺贈のほうが相続よりかかる税金は高くなります。この点も、事実婚を選択される場合はご留意ください。

かめのこ行政書士事務所では、これら遺言作成、財産管理等委任契約、任意後見契約、死後事務委任契約に関する各種業務を取り扱っております。初回相談は無料ですので、ご興味を持たれた方はぜひ一度ご相談にいらしてください。来所が難しい方への、ご自宅・病院・施設などへの出張相談も受け付けております。

それでは今回も最後までお読みいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

この記事を書いた人

野尻 嘉昭

千葉県松戸市を拠点に、15年以上もの間、生前整理・遺品整理の不用品回収業を営んできました。多くの方々の人生の大切な節目に関わらせていただき、その経験を通して「お身内を亡くされた方々や、おひとり様、社会的に弱い立場の方々をトータルでサポートしたい」という想いを強く持つようになりました。

そんな私がさらに手を差し伸べるために選んだのが、行政書士という国家資格です。遺言書の原案作成や相続関係業務を専門としており、相続手続きなど難しい時期のサポートをお任せください。

「遺言さえ準備していれば、紛争は避けられたかもしれない」という後悔を抱える方々の背中を、私のこれまでの経験を活かしてしっかりと支えたいと思っています。

終活・相続・遺言手続きに関すること、何でもご相談ください。かめのこ行政書士事務所が皆様のサポートをいたします。どうぞお気軽にご連絡をお待ちしております。