皆さんこんにちは。今回の記事では、自筆証書遺言の注意点について取り上げたいと思います。あわせて法務局保管の遺言書についても述べたいと思います。
終活に必須ともいえる遺言作成にはいくつかの種類があることは以前の記事でお伝えした通りですが、その中でも自筆証書遺言はその手軽さが魅力です。ですが、手軽であるがゆえの注意点もいくつかあります。
まず、自筆証書遺言は、遺言者本人が、その全文、日付および氏名を自書し、これに押印することが必要です。このうち一つでも書き忘れると遺言は無効となってしまいます。ただし、現在は財産目録や不動産の登記簿などは、プリンターなどで印刷されたものでもよいということになっています。これら財産目録にもページごとに署名、押印が必要です。
また、自筆ですので、書き間違いの可能性があります。それらの訂正にも一定の様式が定められています。このように自筆証書遺言には、手軽に作成できる反面、厳格な要件を満たすことが必要な一面もあります。これらの要式違反で無効になってしまうことだけは避けたいところです。
繰り返しますが、必要なことは、全文・日付・氏名の自書、押印です。作成の際はこの記事を参考にしていただければ嬉しく思います。
さて、自筆証書遺言ですが、裁判所の検認が必要であったり、発見されないリスクがあることは以前の記事で取り上げましたが、これらのデメリットを幾分か解消できる制度が用意されています。それが、「法務局による自筆証書遺言の保管制度」です。平成30年7月10日より、作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらえるようになりました。保管の手数料ですが、遺言1通につき3900円とそこまで高額ではありません。
法務局で保管してもらった遺言に関しては、裁判所の検認が不要になります。これがこの制度を活用する最大のメリットと言えるでしょう。ご逝去後、比較的速やかに遺言の執行手続きができることになります。また亡くなった方の相続人が法務局から遺言を返却してもらえますので、遺言を法務局に預けてあることを相続人の方に伝えておけば、紛失や発見されないリスクも無くなります。
ただし、注意点としては、法務局は保管はしてくれますが、その遺言が法的に有効かどうかのチェックはしてくれません。ですので、声を大にしてお伝えしたいのは、自筆証書遺言を作成される際は、ぜひ行政書士などの法律専門職のチェックを受けてほしいということです。これは、要式違反を防ぐことだけではなく、もめない遺言を作成するためにも必要なことです。
以上、自筆証書遺言の注意点について述べましたが、いかがだったでしょうか。かめのこ行政書士事務所では、自筆証書遺言の作成サポートを行っております。ただし、事務所としての方針は、以前の記事で申し上げた通り、公正証書遺言が原則で、自筆証書遺言は例外的な位置づけとしております。
ご興味を持たれた方は、ぜひ一度お話にいらしてください。出張相談も受け付けております。それでは今回も最後までお読みいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。